2023/03/17 07:46
過剰リラックスの副作用
予防医学や健康をテーマに神経やホルモンからアプローチするヨガクラス(メンテナンスクラス)の中で、アレルギーのお話をした時のことです。
「過剰なリラックスがアレルギー(花粉症など)を悪化させる」という話を聞いたお客様が「ヨガはリラックスする為にやるのではないのですか?」という質問をして下さいました。
答えはYESでありNOなので、どちらも正解と言えます。
その理由をブログでもシェアしようと思います。
季節の変化と自律神経
生き物にとってエネルギーの方向性がシフトする春は、心身共にデトックスに最適なシーズンです。
寒い季節、私たちのカラダは血管が収縮したり首の後ろの緊張が続いたり、ノンストップでやってくる様々な外敵からカラダを守り、免疫力を維持しながら頑張ってきました。
気温低下時期は代謝機能をフル稼働させ、冷やさず温めることに力を入れていた自律神経も、春の訪れと共に緩み急速にリラックスへと傾いていきます。
本来自律神経は、カラダを守るために24時間365日休みなく働いてくれています。
しかし、免疫力の低下やストレス、化学物質や農薬など様々な内的+外的要因によりバランスが乱れることで、多くの場合「アレルギー症状」という形で表面に出てきます。
例えば花粉症は、鼻水が止まらない、鼻の粘膜が腫れて詰まる、目の痒みがひどい、などたくさんの症状がありますが、これらは全て副交感神経の働きが強くなることでおこります。
副交感神経が優位になる時はリラックス作用がアップする時で一見良さそうに見えますが、過剰なリラックス状態になると、大問題に発展してしまうのです。
交感神経と副交感神経は、差異が広がることで花粉症の症状をどんどん悪化させてしまうことになります。
つまり、どちらが良いと言うことはなく、バランスが重要となります。
ヨガクラスのアプローチとは?
自律神経の仕組みがなんとなくイメージ出来たところで、本題であるヨガクラス=リラックスの話に戻りましょう。
基本的にフィジカルにアプローチするものであれば全て同じですが、話をシンプルにするためにヨガクラスと記載します。
一般的なヨガクラス、実は対象者(お客様)が限定されていることがほとんどです。
▼慢性的に疲れている
▼カラダのバランスが崩れたり歪んでる
▼交感神経が優位
▼過緊張、ストレスがある
▼首の痛み、肩凝り、腰の張り、浮腫がある
そうなると当然目指す方向性としては
◎副交感神経を優位に= リラックス
◎緊張を緩和して緩める
◎幸せホルモンセロトニンを増やす
◎ストレス緩和
となります。
このベクトルは人々の意見を集約したり、傾向を調査したり、需要に合わせて供給が決定されていますが、まさに民主政治の原則である多数派(+アベレージ)という考え方と同じです。
しかし実際はどうでしょうか。
大原則として人は皆違うし、ことカラダに関しては100人いれば100通りということになります。
▼性質的に又は環境的に交感神経優位の人 ⇄ 副交感神経優位の人
▼セロトニンが出ていない人 ⇄ 過剰な分泌をしてしまっている人
▼エネルギー放出系 ⇄ エネルギー貯蔵タイプ
▼感情のエフェクトが強い人 ⇄ 理論的で科学的な思考タイプの人
▼マイナスイオン ⇄ プラスイオン
つまり、大雑把にカテゴライズした場合でも、最低2種類のアプローチが必要になると考えています。
当然、限られた時間で人数分のアプローチを提供するのは難しいので、個々が「観察して知ること」の必要性が生まれます。
行動心理学でも観察はメインテーマであり、カラダのメンテナンスにおいても同じですね。
いつも今の自分の状態を最優先に考えることこそ、予防医学の原点とえるかもしれません。