2023/09/25 15:14

「行動心理学と栄養学」小さな小さなミクロの世界のお話、第四弾です。


5大栄養素の基礎についての記事

マクロニュートリエント : 炭水化物、脂質、たんぱく質という主要な栄養素→体を作ったりエネルギーになる

ミクロニュートリエント : ビタミンやミネラルなどの微量栄養素マクロをサポートして機能させる役割


◉過去の関連記事はこちらより

今回もミネラルを4種類ご紹介します。


※チェック項目によくある症状を記載していますので、参考にしてみてください

※ここに記載する栄養効果や症状は一つの例であり、できるだけわかりやすく解説するために余分な情報を省いています

※体質、健康状態、年齢など条件により与えられる効果のスピードや質は異なります


ミネラル4種:ナトリウム、カリウム、リン、銅


今回は、エネルギー生成と排出に焦点が当たるミネラル。

いずれのミネラルもエネルギー循環に関与していて、ヴィーガンやベジタリアンの食生活にシフトチェンジされた方などで現在不調がある方は、必要なミネラルを補うことで症状が緩和へと向かうと思います。




◎Na|ナトリウム
 神経伝達に欠かせないミネラルで、胃の状態や消化機能にも関与するナトリウム
効果:筋肉が正常に収縮する働きを保ち、体内の水分バランスを調整する
補足:ナトリウムの主な供給源は塩で、産地により様々な効果があるものの本物の塩を適切な量摂取する必要があります
   さらに、生活強度や運動強度の高い方、真夏の暑い日、発汗を多く伴う季節などは摂取量が増えます
メモ:塩は胃酸の材料、胃を強酸性に保ち消化力を上げるためには必要
   ただし、病態がある、投薬&治療中、医師から摂取量制限を受けている場合は適切な指示に従うことをお勧めします
食材:塩(味噌、醤油などを含む)
 
 ☑︎水分の排出が苦手で太りやすい、むくみが出たり血流が悪い(ぶよぶよする感じ)
 ☑︎食欲が低下したり、前向きな気持ちや意欲が湧かない
 ☑︎毎日強度の高いワークアウトをしている、または体を動かす機会が多い

◎Ka|カリウム
 血圧調整や利尿作用などの排出機能に関与するカリウムは、ナトリウムと連携して働く
効果:筋肉の収縮を調整、健康な神経機能を維持、体液バランスを調整、など循環器系を促進するカリウム
補足:カリウムが不足すると、不整脈や浮腫という症状が出たり、尿中カルシウムが排泄され高血圧の原因となる可能性があります
   さらに、感覚機能が低下し、反射神経が落ちるので怪我や事故などに注意が必要
メモ:慢性的な便秘を解消するために、腸内環境を整えるだけではなく、ミネラルの摂取も一緒に考えましょう
   カリウムが不足したりナトリウムとのバランスが崩れて排出の機能のほとんどが低下することもお忘れなく
食材:柑橘類全般、トマト、アボカド、メロン、バナナ、大豆、海藻類

 ☑︎健康診断で高血圧の数値が毎回引っかかる
 ☑︎味覚が感じにくくなった、繊細な味がわからないなど
 ☑︎ターンオーバーが遅い、傷の治りや疲労回復に時間がかかる

◎P   |リン
 骨や歯など、基礎となる固い組織を作るリン、過剰症に注意が必要なミネラル
効果:骨や歯の形成と修復、神経の働きを高める重量なリン、特に成長期の子供には大切なミネラルで毎日摂取を
補足:人間のエネルギー代謝に関わり、体の中にあるものを中性=良いバランスに保つ役割があります
   不足すると代謝の機能が低下し、溜め込むというよりはエネルギーの停滞というイメージが近いです
メモ:エネルギーと言えば糖質が連想されますが、糖の代謝をサポートするのもリン、ヴィーガンやベジタリアンは不足しがち。
   反対にリンが過剰になる食材は肉の加工品、リン塩酸と呼ばれる発がん物質を大量に摂取することになるので注意
食材:肉類、魚類、卵黄、胚芽

 ☑︎肉や魚の加工品を食べる頻度が多い→過剰摂取に注意
 ☑︎骨が脆い、骨の中の成分量が少ないなど将来骨粗鬆症が心配
→不足に注意
 ☑︎小麦や米などの炭水化物中心の食生活で糖代謝が苦手→体重が増加傾向にある方は
過剰摂取に注意

◎Cu|銅
 貧血予防の相棒とも言える銅、免疫力を適切な状態に維持する役割も

効果:血液の質を高め、抗酸化作用をもたらすアンチエイジングミネラル、貧血症状がある方は摂取を!
補足:貧血予防は鉄だけではなく、マグネシウムや葉酸、そして銅などミネラルが総合的調和してこそ改善に向かいます
   不足すると脳内の神経系にダメージを及ぼし、やがて心臓の機能を弱めていくこともあります
メモ:銅は生存に必要不可欠な微量ミネラルと呼ばれ、体内のあらゆる組織に含まれ、赤血球を作り、神経細胞や免疫システムを維持する役割を担っている大切なミネラルです。貧血の予防に必要なのはコラーゲンの形成や鉄の吸収を助け、エネルギーを作る手助けもしているからです。
食材:牛レバー、卵黄、貝類、豆類、きのこ類、カシューナッツやアーモンドなど

 ☑︎ヴェジタリアン、またはヴィーガンである
 ☑︎立ちくらみ、頭痛、息切れ等の貧血の症状がある
 ☑︎血液検査で血液が薄い、赤血球の働きが弱いまたは硬いと言われた経験がある