2024/01/11 19:19
行動科学とは人間の行動を科学的に解明し研究する学問です。
例えば買い物に行った時、新鮮でエネルギッシュな野菜を見つけたらそれを購入するのは「本能的な欲求に応える」ということになります。
同時に、お店の方に別の野菜をお勧めされ、生産者の思いや土壌の話を聞き、前者より興味が湧き購入したいと心が変化するかもしれません。
これは「人間は社会的動物である」と言われる典型例でもあります。
このように人間の行動を研究する学問には心理学というものが付随していますが、最適な選択を行い行動を決定するために「自分自身を知る」ということも必要になります。
現在、BALANCINGLABO ACADEMY では12星座から紐解く人生のステージというタイトルで講座を開催しています。
学ぶことで自分の現在地を知り、客観的に見ることができるという視点からも、行動のポテンシャルを上げるサポートとしても活用できます。
第7回目の天秤座の世界は無料公開していますので、よかったらぜひご視聴ください。
さて、科学というのは常に進化し人間にとっては新刊が更新され続けるライブラリーのようなものです。
ある動物行動学者の講義で、「行動や心理など学問の本質を知りたい・伝えたいと思った時は、論文や研究に触れたり、科学や数学のある程度の専門性や知識が必要です。めんどくさいことや億劫なことは抜きに噛み砕いた言葉で伝える場合、本質的な部分には触れないという形になるからです。」と話していたことがあります。
確かに栄養学や科学変化が起こる現象を伝える時、化学式をベースに伝えることは全員が共通認識を持った上でもっともスピーディーかつ正確に伝えることができるのである意味納得できます。
それと同時に、法則や仕組みというイメージから理解することも、スピード感では競えませんが、可能ではないかと思うのです。
そのためには良い意味でアップデートできる、概念を壊せるといったフレキシブルな思考というものが必要になります。
ではフレキシブルさとはどんなものなのでしょうか。
一般的に浸透している固定概念やイメージ、思い込み、思考の癖のことをステレオタイプと呼んだりします。
ステレオタイプは、アメリカのジャーナリスト、ウォルター・リップマンガ提唱した言葉で、「人間は、現実環境・疑似環境・行動の三角形の中で行動する」と著書の中で伝えています。
「ステレオタイプの人は応用が効かない、考えが古い」などといったりしますが、元々人は誰でもステレオタイプを持っていて、それは生まれた国、環境、社会との関わり、年齢や職業などにより先天的+好転的に形成されていきます。
ステレオタイプは「わからない」という不安や心配から表、つまり行動に現れるという紐付けがあります。
私たちが毎日触れている情報量は膨大で、すべての情報が正確かどうかの判断をする余裕も時間もありません。
そのため、持っている経験や知識を元にカテゴライズしたりラベルを貼って、とりあえず対象物を認識するという行動を起こします。
対象物が人の場合、この人は怒りっぽい、この人は几帳面、この人は優しいなどもステレオタイプのカテゴライズの一つの例です。
ステレオタイプのメリットは、情報処理をシンプルかつスピーディーにすることです。
エネルギー消費量がとても多い脳にとって、負担を最小限にし、自分にとっての必要な情報と不要な情報を選別できるのが最大のメリットと言えます。
デメリットとしては、間違ったカテゴライズや認識の結果、行動に問題が生じるということです。
内側の情報を元にカテゴライズするので、客観性が乏しく型にはめた考え方により、人や物の特性・性質を見逃したり削ぎ落としてしまうことがあるため、将来的な可能性や本来持っているポテンシャルに気がつけないということが起こります。そうすると人間関係では、コミュニケーションを円滑にすることや人の行動や心理を理解することができなくなり、トラブルに発展することもあるでしょう。
自分の行動や心理について学んだり知ることは、対象となる人や物の状況や行動、心理についても同じように知ることになるので、今よりももっと広い視点で世界を捉えることができるようになります。
経験や知識は役立つ時もあれば、その反対もあります。
物事にはいつも二面性があり、どちらも表であり正解なのです。
人の行動や心理は不完全であり、時に突拍子も無いような発言や行動をすることもあります。
だからこそ面白いし人間らしいとも言えるし、その奥にある本質を見たいとも思うのです。